場と出会い、積み重ねられた対話が生んだ、作品や仕事を
まとめて紹介するコレクション
東京でWORK(作品・仕事)たりえるのは、
目前の個別性を愛しつつ、世界に意味のあるパーツを設置する作業である。
岸井大輔
東京が美しい。原生林をみているようだ。人の創ったものとは思えない。一駅ごとに変わる景観、共有の少ない人々の行き交い、一貫した解釈を許さない多様性。計画があっても、中途か部分だ。一般に、人間の無軌道な暴走は、破綻を目指してしまう。環境問題や、スラムにそびえ立つバベルや、世界経済のように。しかし、東京は一つの都市であり、精妙なバランスで継続し、極相と生産性を同居させている。これは、人間も、大自然のように生産できることの証明であり、22世紀への希望と感じる。
だから、東京でWORK(作品・仕事)たりえるのは、目前の個別性を愛しつつ、世界に意味のあるパーツを設置する作業なんじゃないか。昆虫学者のような繊細な好奇心と、理論物理学者のような気宇の壮大さをもつモノだけが、東京において、己を示す資格を得る。
そこまで考えて、しかし、まあ、これは、アーティストと名乗る以上当然の資質だし、何かが作品である前提だろう。で、そういう人のそういうプロジェクトのみが「東京の条件」では生み出されています。つまり、超普通ってことです。
「東京の条件」の2010年における活動が生み出したWORKをまとめて紹介します。おつきあい、目撃いただけますと幸いです。
岸井大輔《mi-ri meter》2005
東京の条件とは
「東京の条件」は、「東京アートポイント計画」と、劇作家である岸井大輔が代表理事を務める一般社団法人PLAYWORKSのコラボレーションによるプロジェクトです。
岸井が創作途上で開発した技術は、人間集団の取り扱い方全体を問題としています。本プロジェクトにおいて、岸井はその技術を総合的に適応し、東京の各地域を精査しつつ、演劇センターの運営モデルを提示し、その設立を目指します。演劇センターとは、上演を中心とする従来の劇場とは異なり、日常的に表現者や地域住民などの交流が行われ、それに基づき、市民と創作者によって作品や活動が生産・成長・維持されていく場です。
また、本作品は、ハンナ・アーレントの『人間の条件』に基づいて計画されています。アーレントによれば、人間の営為は、生存するための「労働(LABOR)」、人間の世界を制作・管理するための「仕事(WORK)」、他者との交流「活動(ACTION)」、そして「思考(THOUGHT)」に大別されます。そして、公共とは、人間の活動が共に現れる場であるとされています。
岸井の演劇の術が創造的な対話を生み出していく中で、アーレントのいう公的領域、すなわち、東京の現場にふさわしいコミュニケーションの場の例が示され、将来創発的な場を運営していく主体のモデルとなることが本プロジェクトの狙いです。
Website http://tokyocondition.com
E-mail info@tokyocondition.com
東京アートポイント計画とは
「東京アートポイント計画」は、東京の様々な人・まち・活動をアートで結ぶことで、東京の多様な魅力を地域・市民の参画により創造・発信することを目指し、「東京文化発信プロジェクト」の一環として東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が展開している事業です。
Website http://www.bh-project.jp/artpoint
主催:東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、
一般社団法人PLAYWORKS
題字:竹倉佐有子
THE TOKYO CONDITON
WORKS 2010




